ドンレミ・ラ・ピュセル(Donremy-la-pucelle)

バスはほんの10分足らずでドンレミに到着し"車は、文明の利器はすごいなあ"と実感した。昨日はあんなにめんどくさいくらい時間がかかったのに。

ドンレミで泊まるなら絶対ココというホテル"Jeanne'D'Ark Hotel"にしようとすぐに駆け込むが、何度呼び鈴を鳴らしても応答が無いんで、しかたなくそこは諦めた。
町から少し離れた場所にある、バジリカ教会の横に"Hotel La Basiliqua"があるんでそこに泊まることにする。ホテルからの眺めは、さすがに本に書いてあっただけのことがあり、すばらしい眺め。
本当、フランスの田舎は美しいとしみじみ思い、少々リッチな気分に浸った。(1泊180FF。バス付き)
連れに手紙を出そうとまた、1.5キロ離れたドンレミの村まで向かう。しかし全然めんどくさくない。何回行ったり来たりしても、新鮮な感じがして、とても幸せな気分になる。しどろもどろしながらも、""ドンレミからの手紙""この貴重な手紙を日本の友人に送る。
郵便局のオジさん、オバさん(夫婦で営んでいると思う)もものすごく親切でやさしく教えてくれた。ちょっと不安だった、明日のバスはあるのかどうかを聞いたら、ちゃんと受け答えしてくれた。Merci!

そのまま、昨日に引き続いて村を散策する。・・ほんと小さい村だ。5分で端から端まで見て廻れる。
ホテルに戻り、バジリカ教会付近を歩き回る。本当、美しいがそれと同時に、人がほとんどいないんで、すごく寂しい感情が湧いてきて気分が滅入ってしまった。俺は結構、孤独が好きなはずなんだが、やはり、廻りに人が全然居ないとなるとものすごく人、日本人が恋しくなってくる。

ホテルに戻り、レセプションで再度確認の為、明日、バスが出ているか聞いたら、やはり案の定、月曜日と金曜日しか運行していないらしい。あの郵便局のオジさんもわかってるふりして適当に答えていたんだな。でもしかたがない・・何せ言葉が通じないんだから・・・。しかたが無いんで、明日はタクシーで行くことに決め、そうすることにした。
ホテルから眺める’聖地ドンレミ’

5月5日 Mardi 晴れ AM7:20起床/
Domremy-la-pucelle⇒Neufca^teau⇒Chamount

フランスに来て初めて、朝晴れた。
このホテルから見る霧がかった緑と森、太陽すべてがやさしく心地よいものだ。
窓に太陽の光りが写った時、"ああ、もうジャンヌダルクは居ないんだというよりも、あの時代のジャンヌダルクは必要なくなり、今は気高く美しいだけの、この地自体がジャンヌダルクなんだ"と思い、とても"平和"というものに感謝した。

"Domremy"本当に神聖な場所で、時代の重さを感じる場所であり、何処となく、"懐かしさ"もかね合わせた地だった。
貴重な"時"をありがとう。ドンレミ・ラ・ピュセル。そして、これからの続く旅に力を貸してください。

今日はバスが運休しているので、昨晩レセプションで教えてもらったタクシー会社に電話したが、全然話が通じず、逆に向こうが怒ってしまって、切られてしまった。こっちも少々ムカッときたが、それよりも移動手段がないんで、ここからまさか30kgあるバックパック担いで、10何キロも離れたヌフシャトーまで行くわけにも行かず、”どうしよう・・”と思い、とりあえず、チェックアウトしようと部屋を出ることにした。すると、レセプションの老夫婦が、俺が困っている事に気付き、オヤジさんが"ヌフシャトーに今日、用事があるから一緒に車に乗ってけよ。"と気を利かせてくれて、その言葉に甘えて便乗させてもらった。ラッキーだった。
これもやはり、ジャンヌダルクゆかりの地だからこそ、こんな親切な人に出会えたんだなあとつくづく感謝した。
オジさんは、フランス語しか喋れないが、ほんと、いい人だった。俺のつたない片言のフランス語に付き合ってくれた。気持ちだけでもと思い、"ビールでも飲んで。"と20FFあげた。
その後、すぐにトラベルチェック(1000FF。)を現金化し、自転車屋へ。今日は朝から忙しい。移動の日はいつもそうだ。

二軒廻って、検討した末、やはり、中古のボロイ3段切替式のサイクリング車を500FFで買った。店の主人は"これでルーアンまで行くのは無理だ"と言ったが、しかし、俺はこれで充分!。・・・と思う・・大丈夫かなあ。心配だが、何とかなるだろう・・。フランスはお金がかかるし、自転車なんかにお金なんかかけてられない。

そうこうしているうちに、もう時間も10時半を過ぎていたんで、早く出発しないと、今日の目的地まで行けなくなると思い、急いでバックパックを自転車に括り付けるが、これがなかなかうまいこといかなくて、悪戦苦闘する。

30分くらいかかって、なんとか、無事、AM11:15にヌフシャトーの町を出発する。町を出て、1〜2km走ると、もう廻りは菜の花畑で、黄色で鮮やかに咲いている。また独特のあの花の匂いを全身に感じながら、ずんずん、先に先に突っ走る。

1時間くらい走って、昼食を摂る。ここまで約18km。

走って、自転車で走ると速いなあとつくづく思う。後、今日の目的地Chaumontまで37km。・・しかし、本当、緑が多い。初めは体も楽で、廻りの景色に目を奪われてそんなことも忘れていたが、だんだんアップダウンの多い道になり、バテ出す。途中、メガネが割れるアクシデントもあったが無事、Chaumontに辿りつく。

ここはヌフシャトーと違って、かなり大きな町だ.といっても、寝屋川みたいなもんだけど・・。
迷わず一つ星ホテルを見つけ、少々高いと思ったが(120FF.)、まっフランスならこんなもんだろうと思い、それよりもレセプションの女の人がすごく愛想のいい人だったんで、体も限界に近いくらい疲れたし、今日はここで宿をことにした。尻は痔になるくらい痛いし、膝も関節がカクカクして調子が悪い。馴れないことしてるからしかたないが・・・。
夜、雲が増えてきて、天気が崩れ出してきた。明日が心配だ・・・。

●今日の走行距離56km
一緒にルーアンまで行く事になった、500FFの自転車。
Chaumontを出発する⇒
しんどいから止める
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