ピサ(Pisa)⇒ローマ(Roma)
駅に立つと人々でごった返し、かなり汚い駅で、建物自体も古い感じだ。
しかしここはローマの「陸」の入り口。ここからローマの旅が始まる。
早速、ホテル探しをするが、世界有数の観光名所だとあって、安宿は10軒以上
あたったがどこも満室で多分、長期滞在者がかなりいるんだろう。それくらい旅
人にとって魅力ある町なのだ。2つ星以上くらいのホテルでないととれないらし
い。「普通の日でこれだけすごいんだから、バカンスシーズンなんてなったらそ
れこそ、とんでもないことになるんだろうなぁ。」
駅から南西にかなり離れた場所でなんとか部屋を見つけた。それでも70000
リラだ。(5810円)シャワー無し。
ホテル探していたら、スペインのグラナダの時を思い出した。あの時もかなり探
しまくって、ようやく探し当てたんだからなぁ。
フィレンツェ、グラナダ、そしてローマ・・、これらの町は、一種の旅人達にと
っての憧れの地であり、そして「トレンド」なんだろうなぁと思った。
この町はあまりにも歴史が重すぎる・・・。

5月27日 Mercoledi 晴れ AM8:05起床
ものすごくたくさんの内容のある夢を見た。でもよく寝れた。
AM9:00過ぎ、ローマの市内観光に出かける。・・すごい人の量だ。
仕事に向かうビジネスマンや観光客、そして俺?みたいな奴らで、とても町は騒々
しく賑やか過ぎるくらいだ。
スペイン広場へ向かうつもりが、少し道に迷ってしまい、ボルゲーゼ公園の方まで
行ってしまう。全然反対方向だ・・。軌道修正して、スペイン広場へ。
市民や観光客なんかの憩いの広場だけあって、賑やか、賑やか。
スペインで紛失したトラベラーズチェックの再発行手続きをしてもらう為早速、ス
ペイン広場前のAMEXの代理店に入ったが、無くしたT/Cが日本円だったんで
手続きがややこしくって1時間も余計な時間をくってしまった。
※)紛失T/C8万円の内訳:3万円⇒イタリアリラ⇒31万3千リラ。
残5万円はJPY(日本円)にしてもらう。
ここで注意、いくらAMEX本店でもJPY T/Cからそのままノー
レート、ノーコミッションにはならなくて一旦、イタリアリラに換算
されてから再度、両替という形でJPYにされるのですごく高くつく。
8万円で5000円のコミッションをとられてしまった。
なんとか現金を手に入れ、安心して気が緩んだところを・・久々にやられてしまっ
た。スペイン広場に戻ろうとしていた時に、地元のイタリア人であろう2人組の男
がなにやら怪しげな日本語でブツブツ言って、俺に近づいてきて、「任せて、任せ
て」と言って、指にカラフルなヒモを巻きつける。そして、それを俺の腕に(左腕
)に巻きつけて、「ファイブ!ファイブ!」と言う。「ははあ〜ん、多分、金出せ
っちゅうとんねんな?」廻りは観光客だらけでこんな所で目立つようなことしたら
、カッコが悪い。自分が「気を許した」のが悪かったから仕方ない。言う通りにし
て5000リラを払おうとしたら、コマイ金が手元に無かったんで、多いけど10
000リラを渡したら、「50000リラだ!」って言いおんねん、こいつら。
急にめちゃめちゃ腹立ってきて「やったろか?」と思った時、そいつら「OK、O
K!」と言うて、すたこらさっさと逃げさらしおんねん。「なんじゃあ?おかしい
やんけェ?」思おたら、後ろからポリ公が来さらして、イタリア語で何やバァ〜ッ
言うてけつかるが、言うてる事が訳わからんけど、とりあえず「あいつらは窃盗の
常習犯で、お前、今、いくら盗られたんだ?」とだけだいたいのニュアンスで分か
り、「一万、やられた」言うたら、そのポリ公、バイクであいつら追っかけて行き
おった。クッソ〜遅いんじゃあ、こんなヒモに一万リラも・・俺としたことが・・
ハッズカシィ〜。やはり、ここもかなり物騒な町だなぁ・・・。
その後、気を取り戻して市内観光を続ける。
スペイン広場からサンタンジェロ城、ローマ裁判所、そしてヴァチカン市国へ行く
。ヴァチカンはカトリック教徒の総本山で、ここに「パ〜パ」こと、ローマ法王が
住んでいるれっきとした一つの独立した国なのだ。「イタリアの中にあるもう一つ
の国・・・なんとも滑稽なお話だあ。これもやはり、かつて大昔に世界を席巻した
ローマ帝国時代の名残みたいなもんなんだろうかなあ?」。それにしても人の数が
すごい!もう半端じゃない。ヴェルサイユ宮殿やパリのルーブル美術館の近くにい
た人の数よりも多かった。やはり、世界各国の旅行者やカトリック信者の憧れの地
であるローマ最大の見所だけの事はある。
サンピエトロ寺院の中はとても神聖な場所だ。そう感じたのは”太陽の光”がサン
ピエトロ寺院を通して、床に反射している「その姿」が生命の原点を垣間みたよう
な気がしたからだ。それはとても「自然」だった。

5000リラ払って、サンピエトロ寺院の屋上展望台まで階段で登る。
ローマ市内が一望できるところで、回廊は人でごみごみしていた。しかし、ここま
で登ってきた階段の道幅の’狭さ’には参った・・。なんせ、階段を下ってくる人
と絶対にぶつかりながらでないと上がれないくらいなんだから・・。
その後、ヴァチカン市国を後にしてナヴォ−ナ広場、パンテオン、トレヴィの泉、
そしてべルニーニの作品のあるトリトーネの噴水を見る。このトリトーネの噴水は
迫力がある。俺はこのモニュメントに釘付けになり、そして次第に好きになってい
っていた。

5月28日 Giovedi ちょっと曇り AM8:00起床
ヨーロッパに来てずっと思っていたことだが、俺がいつも寝ている時に見ている夢
の内容はいつも日本での話のことが多い。特にここ2〜3週間連続で見続けている
しかも、ろくなでもない内容のものばかりだ。今のままで日本に帰ったとしても、
やはり「何も変わらない人生」が待っているだけなんだろうか?”以前の自分”が
いるだけなんだろうか?たった2ヶ月くらい、違う文化に向きあって身を置いてる
だけじゃあ人は何も変わらないんだろうか?
AM9:00過ぎ、今日はローマ王国時代の古代遺跡を見に行くことにした。
ホテルから出て、歩いて20分くらいでコロッセオが見えた。
ここも入るのに入場料をとられる。(10000リラ)
高いが見ごたえはある。ここに来る時、ちょうど外側から見たこのコロッセオの感
じが、どことなく”阪神甲子園球場”にダブって見えて少し笑けた。
「こんなこと言うのん、俺だけやろか?」
相変わらず観光客の数に圧倒される。もうここも半端じゃない。「普通の日だとい
うのに、こいつら一体どんな生活してるんやろ?」と自分のことを棚に上げてあれ
これ考える。これも人間の性だ。しかし俺は諸所の事情があって来てるんやからし
かたない。本来、来るべき所じゃあなかったし、イタリアは・・・。
コロッセオの中の雰囲気はなんか今は懐かしい「マチュピチュ」を少しダブらせた
巨石が規則正しく積み重ねられ、大理石の支柱がとても煌びやかで美しい。
あまりに人が多いんで、少し人っ気のない人々の喧騒から離れたところで、眼を閉
じ耳をを澄ましてみると、猛獣と人間との格闘するシーンが頭の中で想像できた。
そして眼を開け、この闘技場の中から現代のローマに行き交う人々の姿を見ると、
ちょうど今、自分は古代ローマと現代ローマの狭間にいる”不思議な感覚”になっ
ていることに気付いた。「今、本当に平和なのか?」ふっと頭に過ぎった。
コロッセオにおいて古代ローマ時代の雰囲気が少し味わえたような気がした。
コロッセオを出て、隣接するフォロ・ロマーノも見たが、ここは入場料を払う所は
どうだかしらないが(みなかった。)タダで見れる所はただの廃墟にしか見えなか
った(見る人が見ればそうでもないんだろうけどもな・・)かなり傷みが激しい。
特に印象に残るものはなかったが、それでも高台から見る遺跡群は美しい。
後、「真実の口」広場や映画”ベン・ハー”の舞台となったチルコ・マッシモ、中
心街から少し離れた所にあるカラカラ浴場など、ブラブラしながらあてもなくロー
マをさ迷い歩いた。
特に変わったこともなかったんで、ホテルに戻ろうと近道を探しながら歩いていた
ら、通ってきた道が悪くて迷子になってしまった。
1時間くらい歩き回り、なんとかマンツォ―ン駅近くに出て、そこからもう面倒く
さかったんでメトロに乗り込んだ。駅はエスカレータでかなり地下深く潜ったとこ
ろにある。よく考えたら、ここローマは遺跡の宝庫。少し地面に穴を掘れば「遺跡
にぶつかる」というくらい多いから、それと地震も多い国なんで、その配慮からか
地下深くまで掘ってるんだろう。地下15mくらいまで下がっていると思う。
メトロで共和国広場まで出て、そこからホテルに帰るが、ここで思わぬハプニング
。ホテルに帰ったらレセプションの兄さん2人が「アイム・ソーリー!!・・・」
なんたらかんたらと英語で話しかけてくる。
話によると、どうやらここの人の手違いで、今日、俺が泊まる部屋だったシングル
ルームが、先約で入っていた人がいて、俺の部屋がないというのだ。
2人の兄さんはしきりに「ビッグ・プロブレム!!」と言う。
しかし困った俺を見て、なんとか他のチープなホテルを捜しだしてくれ、そこに移
ることにした。ホテル側の失態と言う事で、お詫びに14万リラ(二泊分)のとこ
ろを1万リラ負けてくれることになった。ラッキーッ!
そして今のホテルから歩いて10mの所にある「ホテル・テキサス」というホテル
に案内されたが、チープなホテルだと思っていたら、あのさっきのホテルと変わら
ないどころか”高い!”。「1泊20万リラ」だという。「ふざけるな!」と思っ
たが、さっきのホテルの人がなんとかフロントと交渉してくれ、朝食付きのトイレ
、シャワー付きの個室で9万リラにまけてくれた。「でも、高いよなぁ・・」文句
言う俺。それよりも20万リラのホテルが9万リラになるなんて、どう考えてもお
かしい。このローマっていう町で観光客を相手に商売をしている人々は、”その時
の気分によってドンブリ勘定”で計算してるんじゃないだろうか?
「あまり貧乏旅行者が来れるところじゃあない所だなぁ」と思った。
結局また、今日はローマ滞在最後の夜となるんで、リッチに夕食摂ろう思ったが、
また昨日と同じ店でビールとサンドイッチを食う羽目になってしまった。「あ〜あ
そろそろ、御飯と納豆が食べたくなってきたよ・・とほほ」
明日はイタリアから再度、スペインに戻る予定だ。ユーロパスで一日半かけてスペ
インはマドリードまで戻るが、列車はもうしんどいな・・・。

ローマを去り、列車でスペインに向かう⇒
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